テレワークでのオンライン会議の極意

テレワークが急加速する中、新しい働き方や仕組みを導入する良い機会である一方、普段通りに物事が進まない苦労もあるでしょう。

会議を対面形式から、テレワークの従業員も参加できるように、オンライン形式へと変更した企業も多いのではないでしょうか?

これまで、オフィスの会議室にあるWeb会議システムは使ったことがあっても、個人対個人のちょっとしたミーティングをオンラインで細々やるのは、ぎこちなさや面倒さを感じる方も少なくないと思います。

「顔を直接合わせて議論できないと、出席者との距離感を感じて不安になる」

「オンラインでも、オフライン時と同質の議論ができるのだろうか」

「自分の顔がパソコンのスクリーンに写っている、なんとなく集中できない」

今回は、テレワークでのオンライン会議をもっとスムーズに、そして対面にはない効果の生み出し方の極意を、みなさんにお伝えします!

1.オンライン会議にすることで何が違うの?

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そもそもオフィスで集まって会議をするか、それともテクノロジーを活用してオンラインで会議をするかでは、会議の鉄則自体は大きく変わりません。会議の目的は、「決める」「生み出す」「伝える」「つながる」の4つです。ただ、テクノロジー活用によってメリット/デメリットの両方があります。そこをよく理解した上で、オンライン会議によって議論やコミュニケーションの質を落とすことのないように注意する必要があります。

オンライン会議のいいところ

まさに今の新型コロナショックで在宅勤務をしている中で、場所を問わずに会議ができるところです。つまり、集まるための移動時間が必要がないですし、会議室を予約する必要がありません。会社によっては、参加者の予定よりも先に、会議室の空き状況を確認して、それに合わせて会議を設定するなんてこともあるようです。会議室の都合によって、必要な議論がタイムリーにできないなんて、もったいないですね。

また、もう一つのメリットとしては、フラット感が出て誰もが発言がしやすくなる点です。会議室の中では、役職のある人や個性の強いキャラクターの持ち主の迫力に圧倒されて、発言をためらう人も少なくありません。オンラインの場合、画面上で顔が表示されますが、その場に居合わせる時ほどの威圧感はありませんので、みんなが口を開きやすくなる傾向があるようです。

オンライン会議の難しいところ

一方で、オンライン会議の「場所を問わず」というところが返ってボトルネックになるケースもあります。場所は参加者の判断に委ねられますので、自宅の場合もあれば近所のカフェもありますし、介護や看護をしている人であれば病院や公共施設などもあり得ますね。このように「場所」はそれぞれの判断になりますが、「環境」はきちんと定義をしてルール化しておく必要があります。例えば、プライバシーが確保された状態と定義し、内部情報が周りに漏れないようにイヤホンをしたり、スクリーンの覗き見防止シートを使うなどをルール化します。また、会議中に家族から話しかけられたりしないかや、集中して議論に参加できる仕切られた空間であるかなども大事な要素です。画像や音声が明瞭であるためにも、安定した通信環境の確保が必要です。

2.会議の目的に応じた環境づくりをする

オンライン会議といってもさまざまサービスやデバイスの組み合わせができます。会議の目的によって、Googleハングアウトか、Skypeか、Zoomか、またパソコンかスマートフォンか、スピーカーやイヤホン、外付けカメラを使うのか、など組み合わせを考えてみましょう。

「決める」会議は、客観的なデータや事実関係に基づいて、明確な結論を出すことが目的となります。複数の選択肢から、結論を選ぶ作業が会議の中心になるので、決定判断の土台となるドラフトを作って事前にシェアする、アジェンダを共有して、判断に必要な情報が不足しないように事前共有、情報整理をして渡しておくことが重要です。そのためには、さまざまな情報を見比べて議論ができるように、スマートフォンではなくパソコンを使って、落ち着いて情報に目を通しやすい環境づくりが大事になるでしょう。

「生み出す」会議は、サービスやプロダクト、企画についてメンバーからアイデアを募り、取りうる選択肢を増やすための会議です。通常はホワイトボードに書いて、参加者が直感を生み出しやすくします。体を動かして立ったり座ったり、参加者の配置が入れ替わったりすることでいろんなアイデアがでやすいメリットもあります。オンライン会議の場合は、こういった物理的な動きを取ることができませんが、その代わりにパソコンの画面上で、ドキュメント共有をして書き込みながら進めます。思考のプロセスを可視化したり、時には手書きできるデバイスを使って議論を図解することで、より理解を深めることができます。

「伝える」会議は、伝えたいことを資料でまとめてシェアする会議です。ここでは、決定事項をただ読み上げ、周知するだけではなく、メンバーの中で決定事項への納得感を醸成し、実行につなげることが目的となります。リモート会議では、ちょっとした表情の変化や納得できない時に見せる拒絶姿勢(パッシブアグレッシブ)を見落としがちになります。ファシリテーターはメンバーの様子に気を遣い、発言や反応がないメンバーにあえて声をかけて、議論している内容に賛成か、反対か、もしくは関心度合いなどをきめ細かく拾い上げて行くことが求められます。必ずしもパソコンが必要ではありませんが、スマートフォンなどでメンバーの顔が映るようにしておく必要があります。

「つながる」会議は、チームビルディングを図る、つまり、より良い関係を築くための会議です。チームメンバー同士の信頼関係を構築することで、チーム内での感情レベルの葛藤が生まれるリスクを低減させることが目的となります。このため、会議開始時にはチェックインと呼ばれる、メンバー全員が最近会ったことや今考えていることなど、ざっくばらんにシェアする時間を設けるのがいいでしょう。リモートワークでは孤立感の緩和や、ストレス解消に効果があります。

3.オンライン会議ではファシリテーションが超大事

「顔出しNG」はNGにせよ!

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日本人サラリーマンとWeb会議を行う中で、いつも不思議に思うことがあります。それは海外のビジネスマンに比べると、みなさん、会議中にカメラをオンしたがらない、つまり自分の顔を見せたがらないことです。

「自分の顔をパソコンの画面上で見るのが照れくさい」

「お化粧をする時間がなくてすっぴんを出すことに抵抗感や恥ずかしさがある」

などなど、その理由はきっとさまざまあるのでしょう。

これではWeb会議をせっかく行う意味が半減してしまっていてもったいないと感じています。表情が、相手の考えを理解し、会議を円滑に進める上で非常に重要だと考えるからです。

表情やジェスチャーから感情を読み取ろう!

感情を切り捨て、論理的に淡々と議論することが効率の良い会議だ、と思っている方もいるかも知れません。しかし僕は、これは間違った考え方であると思います。

そもそも感情に働きかけるまでもなく、論理的に物事を決定したり、情報を伝えるだけで用が済むのであれば、会議を開かずメールを1本出せば済む話だからです。会議を開くことの本当の意味は、「感情を巻き起こすこと」なのではないでしょうか。資料に書かれていない情報である感情を伝えることこそが、会議にとって大変重要なのです。

直接会うことには敵いませんが、表情から会議参加者のさまざまな情報を得ることができます。

「あ、今日なんだかこの人、笑顔が多いな。何か良いことがあったかな?」

「なんだか顔色が良くないぞ、無理して働き過ぎているのではないか。」

といった、メンバーのコンディションから、

「安心した表情に変わった。今の説明で納得してくれたみたいだな。」

「とてもやる気に満ち溢れた表情でいいね!この人の想いをぜひ叶えられるように協力してあげたい」

「集中力が切れてしまってる表情だな。質問を振ってみよう。」

といった、会議中の参加者の感情まで把握することが可能となります。

さらに、顔を見ることは、発言していない人の真意を理解するのにもとても役立ちます。

もしも顔が見えない状態で会議を行ったら、どうなるでしょうか?表情を通して得られる相手のコンディションや感情、細やかなリアクションといった情報のほとんどは(声色から僅かに察知できる程度で)得ることができず、会議は事務的な時間となってしまうでしょう。また、ジェスチャーも表情同様に感情を伝える、重要な情報源です。みなさんの中にも、「表情やジェスチャーを使って伝えることができない電話での会話は、相手の真意が理解しずらいし、自分も話がしづらくて苦手」と感じている方も多いのではないでしょうか。

アジェンダこそ綿密に設計し、根回しせよ!

アジェンダの共有は、もちろん普段の会議でもとても重要です。しかし、直接会わないリモート会議においては、重要性は一層増します。

以下の情報を網羅したアジェンダを、遅くとも会議前日には出席予定者に忘れずに送付しましょう。

・会議のテーマとゴール

・議題と進め方

・役割分担

・優先順位と時間配分

オフィスに出勤していれば、好きなタイミングでふらっと同僚に声をかけ、何気なく相手の様子を聞いたり、プロジェクトについて会議前に

「これどう思う?」

「この方向で行こうと思ってるんだけど、賛成してもらえるかな?」

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などといった合意形成(ある種の根回し)をするためのちょっとした時間を作ったりすることも難しくありません。しかし、テレワークを続けていると根回しの時間が不足してしまいます。その結果、会議でスムーズな合意形成を取れない、といった残念なことが起こる可能性もありますね…。

そんな事態を回避するために、こまめなコミュニケーションを心がけてみてください。1on1のようなオンラインMTG でもいいですし、チャットツールで、ちょっと一言声をかけてみるだけでもいいのです。

仲間とのコミュニケーションを意識的に行い、あたかもすぐそばにいるような感覚を常に持てると完璧ですね!

オンライン会議を本格導入しなければいけない、という状況をチャンスにかえて、従来の会議をアップデートするのもおススメです。例えば、以下のような取り組みを行ってみるのはいかがでしょうか?

本当にその会議、必要なのか!?

・今まで何となく定期的に開いていた会議は本当にその頻度での開催が必要なのかどうか

・その会議に本当に参加すべき人は誰なのか

を、オンライン会議を導入するに際して棚卸して整理してみましょう。

本当に必要な会議が必要十分なメンバーで行われるようになることで、無駄な会議の時間を減らせます。

スペシャリストを巻き込め!

「意思決定が会議の目的だったけど、情報不足で決めきれない…!」

なんて事態を、会議中に経験したことがある方も多いのではないでしょうか?僕も時々そういう場面に出くわします。普段のオフラインミーティングであれば、代表者がその情報を持っている人に直接電話して、情報不足を解決するかと思います。

それも良いですが、せっかくのオンライン会議なら、電話をかける代わりに一瞬その人を会議に招待してしまうのもおススメです。みんなでスペシャリストの話を聞くことで新たな質問が生まれたり議論が深まったりし、想像していなかったような結論が導き出せるかもしれません。

慣れないうちは、自分の顔を映し出しながら話すことに抵抗感や恥ずかしさを感じるかもしれません。それでも、会議は感情を伝える場所であるという本質を理解した今、Web会議で顔を出すことがいかに重要か、分かっていただけたのではないでしょうか?

また、会議のゴールに応じて、環境準備やデバイスの組み合わせなど、一言にオンライン会議と言ってもバリエーションを持たせることが可能です。

そしてもっとも大事なのは、オンラインでもオフラインでも、会議には共通した鉄則があり、ファシリテーターの力量次第で、効率よく、効果的な会議運営を実現することができます。ぜひ、テレワークで会議が増えるこの機会に、ファシリテーション力を磨いてみてはいかがでしょうか?オンライン会議のコツを少しでも早く掴んで、ぜひ充実した会議を重ねてみましょう。

Twitter/Facebook: @piotrgrzywacz

執筆協力:星野たまえ(プロノイア・グループ)www.pronoiagroup.com

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