【イベントレポート】スターバックス&Think Labが提案する
異なる自分らしさを発揮し、パフォーマンスを引き出す仕組み

社員個人が自らの意図に合わせて働き方を選ぶ「INTENTIONAL WORKING」を考える。第3回『INTENTIONAL WORKING』提唱セミナーが2021年3月18日に開催され、スターバックス コーヒー ジャパン 人事本部 組織人材開発部 部長 下青木 聖子氏、JINS執行役員 兼 Think Lab 取締役 井上 一鷹氏、プロノイア・グループ代表 ピョートル・フェリクス・グジバチが、パフォーマンスを上げるための組織の仕組みを議論した。モデレーターはプロノイア・グループ Chief Positive Officer 丸山 咲。

INTENTIONALWORKING モデル

本イベントはピョートルのキーノートセッションから始まった。

「意図を持って働くには、働き方に合わせた場所や工夫が必要です。そして、働くことを自己実現につなげていくには、自分の成長を考えて、自分の欲求を満たすことが大事です。自分にしかできないこと、自分にしかできない結果を生み出すために、何をして何をしない、何を捨てて何を捨てない、何が正しくて何が正しくないかをはっきりさせることが必要です。それを周りに開示し、自分がしたいことを周りに伝えることが『自己表現』です。これにより自分を支援したい人が集まって来ます」(ピョートル)

また、ピョートルは『INTENTIONAL WORKING』を実現するために会社や個人が考えるべき観点を以下のように説明した。

「個人が『INTENTIONAL WORKING』を実現するためには、Why、Whatを明確にすることで自分の価値観や信念を見極め続けることが重要です。また自分がどんなペースで働きたいか、どんな学びを得たいか、自分の中で考える必要があります。会社であれば、人事やスペースの観点から、社員の体験を考え流べきです。社員の時間とエネルギーがどう使われているか考えるのも効果的でしょう」(ピョートル)


なぜ今スターバックスとThink Labが一緒にスペースを作ったのか

スターバックスとThink Labは2020年7月30日、はたらく人のための「夢中になれる」新店舗「スターバックス コーヒー CIRCLES 銀座店」を銀座にオープンした。モデレーターの丸山がこのコラボレーションが生まれた経緯を問いかけた。

「そもそも僕らって仕事で何を大事にしているんだっけ、というような本質的に議論ができる場所がスターバックスだと思います。スターバックスのような本質的な議論ができる場所と、集中するためのThink Labが一緒にあると意味があるんじゃないか。個人的にそんな場所が欲しいと思い、このコラボがスタートしました」(井上氏)

Think Labができるまで



下青木氏からはスターバックスの意図、コンセプトについて言及する。

「銀座のサークルズ店舗のコンセプトは『集中し、共創し、あなたが夢中になれる場所』です。集中する部屋、コワークする部屋、何より夢中になれる場所という意図で作られています。もっともっとサークルズ銀座店を知ってほしいですし、夢中になって働く方がスターバックスの店舗を通じて増えたら嬉しいです」(下青木氏)

Think Labにあるメッセージ



その一方、ピョートルはコラボレーションにおける「場所」の重要性を指摘する。

「コラボレーションには、アクティブコラボレーションとパッシブコラボレーションの2種類があります。アクティブコラボレーションは、複数名が一緒に準備して、集中して、一緒にブレインストームするようなコラボレーションです。GAFAのオフィスは主にアクティブコラボレーションで作られています。一方、パッシブコラボレーションは、打ち合わせの間の『こういうこと考えているんだけどどう思う?』というような雑談などをベースにしたコラボレーションです。WithコロナでGAFA社員もオフィスにいくことがなくなり、パッシブコラボレーションが減少しました。パッシブコラボレーションのためのサードプレイスが必要です」(ピョートル)

続けて丸山より「オフィス内のカフェスペースやお菓子スポットが増えていますが、それだけではダメなのでしょうか?それとももっと深い工夫が必要なのでしょうか?」とさらに問いかけがあった。
「スターバックスのオフィスには、各階に『ホワイトカップコーナー』というカフェコーナーがあります。人と人が繋がるように意図して作られました。ここではいろんな部署の人が交流できます。ただ、中には無言でコーヒーを入れて自席に戻ってしまう人もいて、それはちょっと残念です。社員同士の雑談が生まれればいいのですが、コーヒーを淹れる作業場になってしまっている時があります。コーヒースペースはあるだけじゃダメなんです。どう使っていくのか、素敵な使われ方が広がっていくのか、が重要だ思います」(下青木氏)

「集中スペースも作るだけではダメな時があります。これまで10社くらいがThink Labと同様のオフィスを導入しましたが、トップが『自発的に働く人を増やしたいんだ』とメッセージを発したり、トップが率先してThink Labを使うと会社が変わっていく。空間を変えるだけでは人の意思は変わりません。カフェスペースも作るだけではダメです」(井上氏)


(左)スターバックス コーヒー ジャパン 下青木氏
(右)JINS / Think Lab 井上氏



ここでピョートルはオープンスペースと集中スペースのジレンマを話す。

「オープンスペースのようなオフィスが一時はやりましたが、それがストレスになる人もいます。人によっては、『いつもの席』のような安全領域に入らないといいパフォーマンスができないということもあります。ただ、オープンスペースがないと交流が進まないという側面もあり、こうしたジレンマをどう乗り越えていくかが大事です」(ピョートル)


パフォーマンスの意味と必要性

モデレーターの丸山から「そもそもパフォーマンスとは何なのでしょうか?、そしてなぜ発揮しないといけないのでしょうか?」という質問が出た。




ピョートルはこれを受けて、「英語のパフォームという言葉の意味は①アウトプットする②演じるの2つです。会社に行ってアウトプットを出すのではなく、ひたすら演技をする必要がある人もいるんじゃないかと思うのですが、お二人はどう思いますか?」と問いかけた。

井上氏は「カタカナの『パフォーマンス』という言葉を聞くと、『人に決められたゴールをどう効率的に達成するか』という問題に聞えます。生産性も同様に思います。でも、一人ひとりにとって大事なことは自分が何をやりたいかですよね。本当にやりたいことのために、いかにパフォーマンスを高めるか、が重要になるのですね。私は自分の仕事を『仕事』と思っていないところがあって、『会社を使って遊んでいる』と思っています(笑)。自分がやりたいことと会社が目指すことがマッチしていれば、それに越したことはないですよね。これが乖離してる人が多い気がします」(井上氏)




下青木氏は、また違った視点でパフォーマンスを考える。

「パフォーマンスって、アウトプットが出る前の行動や振る舞いをよりよくすることだ思います。すごく良いアウトプットが出ることも大事ですが、その人の考えや行動、振る舞いが良くなっていくことで、アウトプットもよくなる。パフォーマンスが高まるということは、人が一皮も二皮の剥けて成長していくことだと思います。

スターバックスの人事制度のパフォーマンスディベロップメントでは、対話を通じて、夢中になることやワクワクすること、生き生きすることはなんですか、と質問をするアクティビティがあります。一人で書いたり、上司と部下で話したり、同僚同士で問いを投げ合うと自分の好きなことや得意なことが見えてきます。一人ではなく、対話することで、パフォーマンスのあり方が見えることもあると思います」(下青木氏)


パフォーマンスを発揮するためにできること

登壇者のパネルディスカッションの後、ZOOMのブレークアウトセッション機能を使い、セミナー参加者は1グループ5~6名に分かれ、2回にわたり「パフォーマンスを発揮するための工夫」「パフォーマンスの発揮を阻害しているバイアス」というテーマについて、ディスカッションを行った。




「バイアスは恐怖が前提」「マネージャーが自分の常識やバイアスが時代遅れだと認識していないことがある。上の立場の人ほど時代の流れを感じることが大事なのでは」といった意見が参加者から出た。

パフォーマンスを発揮することの意味や、そもそもの定義について、一人ひとりが考え、見直すことで働き方や時間の使い方が変わり、それによって環境が変わっていく。明日からの働き方や自分の時間の使い方を見直してみてはどうだろうか?

登壇者情報

下青木 聖子(しもあおき きよこ)氏

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 人事本部 組織人材開発部 部長

大学卒業後、食品メーカーに入社し、都内の基幹病院でMRとして 医療用医薬品の情報提供や営業活動を行う。その後、「 感動経験を提供し人々の心に潤いを与える」 というスターバックスのコアイデオロギーに惹かれ、 中途採用で店舗に入社。横浜・東京の数店舗で店長を経験後、 人事部門に異動し、人材開発・タレントマネジメント・ 組織開発領域に従事。モットーは、Make a friend, Make a difference, Make someone’s day.

井上 一鷹(いのうえ かずたか)氏

株式会社ジンズ 執行役員 事業戦略本部 エグゼクティブディレクター
株式会社Think Lab 取締役
Newspicksプロピッカー(キャリア・教育関連)

大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。商品企画部、JINS MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。著書『深い集中を取り戻せ』(2021/04/07発売)『集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方』

イベントレポート

【第1回】アフターコロナの働き方新常識!『INTENTIONAL WORKING~意図を持って働く~』

【第2回】創造性をハックするネイチャーワークスタイリング ~「自然」がもたらす創造性の効果~


【イベントレポート】スターバックス&Think Labが提案する
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