【イベントレポート】アフターコロナの働き方新常識!
『INTENTIONAL WORKING~意図を持って働く~』

これまで服装、働く場所、休憩が組織の意図によって決められていたが、Withコロナの今、社員個人がで決められることも増えてきた。働き方は「組織の意図」の時代から「個人の意図」の時代に移行し、社員個人が自分の意図を持って働く「INTENTIONAL WORKING」の時代が到来したのだ。2021年3月3日、第1回『INTENTIONAL WORKING』提唱セミナーが開催され、パルコ 執行役員 CRM推進部兼デジタル推進部担当 林 直孝氏、ネットプロテクションズ 執行役員 人事総務グループ 兼 ビジネスディベロップメントグループ 秋山 瞬氏、ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ 次世代ツーリズム推進ディレクター 野島 祐樹氏、プロノイア・グループ代表 ピョートル・グジバチが、これからの働き方「INTENTIONAL WORKING」を議論した(モデレーターはプロノイア・グループ Chief Positive Officer 丸山 咲)。


仕事と趣味は分けない

本セミナーはプロノイア・グループ代表 ピョートル・グジバチの言葉から始まった。

「自分にとっての正解が、違う角度から見れば不正解であるということを想像し、疑ってみましょう。その上で、今あなたがなくしたいパラダイム(考え方)はなんですか?遺したいパラダイムはなんですか?創造したいパラダイムはなんですか?ぜひ、考えてみてほしいです。そして、その意図(intention)について考えてみてください。自分にはどんな使命・感情・身体・思考があるのかを認識し、選択肢を持ち、どんな人生を歩むのか。どんなINTENTIONAL WORKING(インテンショナル・ワーキング、意図を持った働き方)を実践するのか。今日が考えるきっかけになれば嬉しいです」(ピョートル)

ここでモデレーターの丸山は「身体性は仕事をする上でに役立つのか」とパルコでDX(デジタル・トランスフォーメーション)を担当している林氏に問うた。

キッチンに立つ男性

低い精度で自動的に生成された説明
パルコ 執行役員 CRM推進部兼デジタル推進部担当、
パルコデジタルマーケティング 取締役、アパレルウェブ 取締役  林 直孝氏

「身体性と仕事は密接に関わっています。私の趣味の一つが釣りなのですが、釣竿を持って魚を待つ間、頭の中で仕事のアイデアを整理したりしています。『趣味は趣味。仕事は仕事。その上で趣味を仕事に役立てる』と考えるのではなく、『仕事と趣味を分けない』と考えた方が、自分を良い状態に保つことができます。健康な状態や心が満たされた状態を作ることができます。釣りをしている間も、自分の中では『趣味の釣り』と『仕事』は繋がっているイメージです」(林氏)

では、仕事と趣味を分けない林氏にとって「いい仕事」とはどんな仕事なのか。また、パルコにおける「いい仕事」とはどんなものなのか。

「パルコの価値は、面白がって世に問題提起し、共感していただいた方と一緒に新しいモノを生み出すことです。『刺激創造』という言葉が社内にあるのですが、その体現が『いい仕事』なのかもしれません。自分の趣味・関心事や大切にしていることを仕事の中で発揮できたら、さらにハッピーになったり、やってやったぜ!という感覚になりますね」(林氏)

社員の幸せ/成長と、会社の成果の両立が鍵

ネットプロテクションズも、オフィス環境に注力し、社内にブランコを設置するなど、「身体性」を大切にしている。

モニター画面に映る男性の顔

低い精度で自動的に生成された説明
ネットプロテクションズ 執行役員 人事総務グループ 兼
ビジネスディベロップメントグループ 秋山 瞬氏

「社内では考えることを大切にしているため、発想が思考に寄ってしまうメンバーが多いという課題がありました。だからこそ、一回あえて思考を脇に置いておけるような仕組みを作ろうと考えました。ブランコに揺られていれば怒るに怒れないですし(笑)、会議室にいるときでは出てこないようなアイディアが生まれてきたりすることもあります。このような意図でオフィス設計をしました」(秋山氏)

ネットプロテクションズはNaturaという独自の人事制度を持つ。これは、マネージャー職を廃止し、固定的なヒエラルキーをなくす人事制度だ。よりフラットな組織構築のために導入された制度だが、フラットを目指すが故に、怒りや妬みなどのネガティブな感情が生まれてしまう可能性もある。それは面倒くさいのではないだろうか。

テキスト

中程度の精度で自動的に生成された説明
ネガティブな感情はチャンスかもしれない

「そういった感情を扱うことは正直面倒くさいです(笑)。ですが、ネガティブな感情が表に出てこないことのほうが、より面倒くさい状況を生むと考えています。むしろ、ネガティブな感情が場に出てきて、それについて話ができる状態のほうが健全です。この感情が出るときはチャンスだと捉えています」(秋山氏)

一方で、そうしたネガティブなベクトルに流れやすい人事評価についても、同社は独自の見解を持つ。

「そもそも人事評価はなんのためにあるのか?と考えた時に、結果的にメンバーが幸せになることと、会社が成果を上げていくことの両立が大切だと気付きました。メンバーが成長して幸せになってほしいと願う仕組みなのであれば、そこを意図としておくべきだと考えています。被評価者と評価者が対立構造になってしまいがちですが、成長支援を目的とすることで同じベクトルを向くことができ、1:1がよりポジティブな時間になると発見しました」(秋山氏)

シナジーを持って自分の使命を全うする

ANAホールディングス新規事業担当の野島氏は、自身のやりたいことと仕事をうまく結び付けていると言う。社員のやりたいことと、会社の利益は相反するもので、社員の使命VS会社の利益と言う構造になりがちだ。しかし、同氏の見解は異なる。

人の顔写真

自動的に生成された説明
ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ 次世代ツーリズム
推進ディレクター 野島 祐樹氏

「社員の使命VS会社の利益だとは思いません。今までの働き方では、会社の利益のためのKPIがあり、それに基づいて販売計画を立てて向かっていくことが社員の使命になっていました。そうではなく、社員個人の使命が先にくることが普通であってほしいと思っています。自分の幸福、使命が何なのか先に考え、そこから会社の利益へのシナジーに繋げていくことが大切だと考えています」(野島氏)

その従来の働き方を脱するためにはどうするべきか。

「『安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します』がANAホールディングスの経営理念です。KPIなどの定量的目標と自分の使命が相反してしまうことはあるかもしれませんが、社内でどんなことに挑戦したとしても、経営理念にはしっかり繋がるはずだと考えています。もしも自分の使命と会社のビジョンにミスマッチがあるなら、絶対にフィールドを変えるべきだと思います」(野島氏)

新しいパラダイムを作るために必要なINTENTIONAL WORKING

登壇者のパネルディスカッションの後、ZOOMのブレークアウトセッション機能を使い、セミナー参加者は1グループ5~6名に分かれ、「新しいパラダイムを作るためにどんなINTENTIONAL WORKINGが必要か?」という問いについて、ディスカッションを行った。


「会社は個人の自己実現を支援する必要があるが、すべて受け入れるのは難しいので、会社のミッションと個人の自己実現の方向性をすり合わせる必要がある」「目の前のやるべきことと、自分のやりたいことを行ったり来たりしながら働くことがニューパラダイムになるのではないか」といった意見が参加者から出てきた。

今回、林氏が語った「身体性と思考の繋がり」、秋山氏が語った「職場で感情を扱うことの大切さ」、野島氏が語った「自分の使命と会社の利益とのシナジー」は、どれも本人と会社やチームによる実績を伴った、ニューパラダイムへ挑む実体験だ。意図を持って働くINTENTIONAL WORKINGの重要性は、言語化されている、いないの差こそあれ、誰もが認識している。

一人ひとりが意図を持って働くために、管理すべきエネルギーを「使命」「感情」「身体」「思考」の4つに分けて考えたとき、それぞれの会社ではどんなニューパラダイムのための仕組みを作っていくことができるだろうか。

登壇者詳細

林 直孝(はやし なおたか)氏 

株式会社パルコ 執行役員 CRM推進部兼デジタル推進部担当
株式会社パルコデジタルマーケティング 取締役
株式会社アパレルウェブ 取締役
パルコ入社後、全国の店舗、本部及び、Web事業を行う関連会社のパルコ・シティ(現・パルコデジタルマーケティング)を歴任。 店舗のICT活用やハウスカードとスマホアプリを連携した個客マーケティングを推進する「WEB/マーケティング部」などを担当。 2017年3月より、新設された「グループICT戦略室」でパルコグループ各事業のオムニチャネル化、ICTを活用したビジネスマネジメント改革を推進。2020年より現職。

秋山 瞬(あきやま しゅん)氏

株式会社ネットプロテクションズ
執行役員 人事総務グループ 兼 ビジネスディベロップメントグループ
慶應義塾大学卒業後、設立2年目の人材系スタートアップ企業に新卒1期生として入社。新規事業責任者や関西支社長を経験した後、「次世代を担うリーダー創出」を志し、2009年に株式会社ネットプロテクションズに人事として参画。人事責任者をしながら、主事業「NP後払い」のセールスマネージャーも兼務し、2017年に執行役員に就任。2018年には、マネージャー職を廃止した人事評価制度『Natura』をリリース。現在は、人事総務グループと企業アライアンスを行うビジネスディベロップメントグループを兼務し、事業・組織双方でミッションである「つぎのアタリマエ」づくりを目指す。

野島 祐樹 (のじま ゆうき)氏

ANAホールディングス(株) デジタル・デザイン・ラボ 次世代ツーリズム推進ディレクター
2007年 ANAセールス(株)に入社し、旅行会社がパッケージツアーを造成する為の航空券セールスを担当。 その後、リクルートとの合弁会社、ANAじゃらんパック(株)の会社・事業立ち上げに従事。じゃらんの宿とANA国内線を自由に組み合わせるダイナミックパッケージの販売・企画・事業推進を担当。帰任後、熊本地震の復興支援、各自治体様との共同企画、 民泊などシェアリングエコノミーの概念を取り入れた旅行商品開発などを推進。2018年からANAホールディングス(株)デジタル・デザイン・ラボへ出向し 「旅を通じた関係人口の拡大」を目的に、シェアリングエコノミーツーリズム/多拠点生活推進/次世代団体旅行等に関する実証実験やサービス開発を実施中。

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